彫刻
Sculpture


髑髏に蛇 泉亮之

蛇・蝦蟇・髑髏を得意とした泉亮之。明治24年(1891年)5月10日訪日中のロシア皇太子ニコライ二世によりこの作品の類似作品が買い上げられました。その翌日、ニコライが斬りつけられるという大津事件が起こり、日露関係が危ぶまれる自体になったのですが、親日家のニコライのお陰もあり、結果的に穏便に済まされました。ひょっとして、この亮之作品を大変気に入り、上機嫌だったのかもしれませんね。一見、怖い題材の様に見えますが、ピースフルな歴史的なストーリーを持つ作品です。 この後、明治26年(1893年)アメリカで開かれた博覧会に泉亮之の作品が出品され賞を授けられ、またシカゴで開催されたコロンブス上陸400年祭記念博覧会においても、泉亮之の作品は賞牌を得ました。 この作品は特別な高山の一位の木を使用して彫り上げられていると思われます。顎や蛇の舌は動く造りになっております。技術・素材的にも素晴らしい歴史的な超絶技巧作品です。


Skull and snake by Izumi Sukeyuki

Sukeyuki carved the skull and snake from one section of wood, and the lower jaw from another, articulating the two with extreme realism. The teeth are carved from another type of wood and inlaid. Details such as the surface of the bone, worn or eaten away in sections, are finely rendered. The whole study with the snake curling through the empty cavity of the skull forms a tour de force of carving. Circa 1890.

素材:一位の木
Material:wood of yew

12cm-18cm-19cm(h)

素材:一位の木
Material:wood of yew

12cm-18cm-19cm(h)